代表取締役 柏原幸代様(写真左下)

 

本日はよろしくお願いします!早速ですが、なぜ幸代社長は管理栄養士になろうと思われたのですか?

正直に言うともともとは、管理栄養士ではなく違う道に進みたかったのですが、 大学受験で管理栄養士専攻に合格し、進学することになったのがキッカケです。だから学生時代は栄養士という職にあまり興味がなく、 実習で、保健所、病院、学校に行っても、面白いと感じられませんでしたし、 就活でも一般的な栄養士の職場では、働くつもりはありませんでした。ですが、せっかくなら食に関係する仕事に就きたいと思い探していたら、あるスーパーマーケットが新規事業の立ち上げスタッフとして栄養士を募集しているのを見つけ、 何かおもしろそう、新しいことができそうと思って応募し、入社しました。

起業しよう思われたきっかけは何ですか?

実は起業しようという思いは、あまりありませんでした。ただ、ベンチャー企業での仕事をいろいろと経験するうちに、20代後半からいろんな方に「社会に必要とされるはずだから会社を作ってみたら?」という声をいただいていました。でも、ベンチャー企業での経営するということの難しさ、厳しさを見てきていたし、‘社長業’は私に向いていないと、無理だと思っていました。そんな私が食ライフデザイン株式会社(SLD)を設立することができたのは、多くの方の応援と後押しをいただいたからです。

栄養士の仕事は予防医学であって効果がすぐ目に見えるわけではないので、 他のビジネスプランに比べてビジネス化しにくいと思いますがそれについてどうお考えですか?

そのとおりですね。社会性があるので、共感や応援はしてもらえるけどそれをお金に変えるのが難しい仕事だと思います。 形がないカウンセリングにお金をかけるという習慣は日本にはなくて、そこにお金をかける人がなかなかいないのが現状です。

アメリカでは管理栄養士は医者と対等な立場ですが日本もそうなると思いますか?

難しいと思いますね。まずアメリカと日本とでは医療保険制度に違いがあります。アメリカでは、病気になった際、すごくお金がかかってしまいますが日本では病院に行っても自己負担が少ないので、 危機感を持たれる方が少なく、先ほど言ったように予防医学に対する意識はとても薄いです。その点、アメリカは自己負担がとても大きいので、そういう理由もあって、予防医学にとても意識が高い。 医療制度そのものの仕組みの違いは簡単には変えられないし、国民の意識が変わるのには時間がかかります。また、そもそも栄養士のレベルが全然違います。そのひとつが日本の栄養教育の制度にもあると思います。だからなかなか臨床の場ではドクターと対等にはいきません。知識の問題だけじゃなく、意識の問題でもありますね。

 

これからの栄養士は明るい栄養士が必要と昨年のセミナーで言っておられましたが、最近の栄養士を目指す学生は明るいですか(^-^)/?

昔とは少しは変わってきたと思うけど、他の学部の学生に比べたらやはりまだおとなしい印象はあります。なぜ栄養士に明るさや前向きさが必要なのかと言うと、人に何かを伝えていく、特に健康になってもらうために伝えるのなら厳しく言うよりも明るく楽しく言ったほうが相手に通じるでしょう。 人は前向きに物事をとらえると同じ事をやってもいい結果になります。人間のメンタルはすごく不思議なもので、 心の持ちよう、つまり‘あり方’は、驚くほどあらゆる面への影響があります。 例えば、それはご飯を作る人にも言えます。 楽しいと思って作った人のご飯はおいしいし元気になれます。それってパワーの違いですよ。不思議ですけど、そういうものって伝わるんですね。 仕事においても、うまくいかなくて失敗してしまっても、次はどうやってクリアしようとかリベンジしようとか、 前向きにやっていると物事がうまく進むんです。 一般的に栄養士の職場環境は閉鎖的なところが多く、現場の中で一人ということも多々あるせいか内向的でネガティブになりやすいのかもしれません。

そのような栄養士さんたちをどうゆうプランで活性化をしていきたいとお考えですか?

まず楽しそうに仕事をする栄養士がもっと増えて欲しいです。そうすれば環境が変わることに気づく栄養士が増える。時間はかかりますけど。そのためには、明るく活き活き仕事をしている人がいることを情報として発信し、 『栄養士にはチャンスが多い』ことをいかに知ってもらうかではないでしょうか。それを知らないままでは夢や希望は持てないですから‘活性化’できませんよね。だから私たちSLDのひとつのミッションは、とにかくいろんな世界があって、いろんな可能性がありますよ!っていうことを一人でも多くの栄養士や栄養士を目指す学生に伝えるということだと思っています。

今、食に関する資格などたくさんありますがそのような資格は持っていて有利な点などありますか?

資格とは看板のようなもので、看板が立派でも実際に仕事が出来なければ意味がないと思います。つまり、スキルがどれほどあるかが大切ですね。だから資格がなくてもスキルがあれば仕事は来ますよ。 今、SLDで行っている資格講座(健康・食育マスター講座)は、知識をつけるというよりも、現場スキルをあげることを目指した内容です。 「栄養学」だけの視点ではなく、健康になるためには、食生活をどう考えるかを知ってもらいたくて行っているもので、 栄養学の知識がない人でも分かりやすいものになっています。 逆に、栄養士など専門の人は、持っている知識をどうやって伝えればいいのかということがわかるような内容になっています。 実際、私たちは栄養学を知らない人に伝えるのですから、専門的であるよりも、知識のない人が理解しやすく、実践しやすいことである必要があります。 相手が知りたいことを、いかに相手にうまく伝えるかが大事です。 食事は一生懸命やらなければならないことではないんですよ。 食事は生活の一部であって一生続くものです。そういう生活の一部になっているものはある意味、無意識でも行動できるものでないと、 一生懸命やっていたら疲れてしまうしストレスになって続かないでしょう。だから、そうじゃない考え方、やり方を栄養士がもっと知って伝えられるようになれば、 世の中のより多くの人が健康になると私は思っています。

最後に、栄養士、管理栄養士を目指す学生にメッセージをお願いします。

学生のうちはバイトや遊びをたくさんしてください。勉強していたら知識は身につくけれど社会を知らないままになってしまいます。バイトを通して、お金をいただく事の大切さを学んだり、上の立場の人や自分とは違う背景の人と関わることでいろんな考え方や視点を知ることができます。 同じ立場の人(栄養学を学んでいる者)で集まるのではなく、違う学部や違う大学の人たちと接点を持って欲しいですね。 就職においては、「栄養士」という募集職種で働くことが資格を活かすことだと考えがちですが、それだけではなく幅広い仕事に目を向けてください。むしろ、栄養士があまりいない仕事の方がチャンスは多いんです。その様な環境では栄養士の資格を持っているだけで珍しい。つまり、他の人にない強みをもっているということです。社会では何か得意分野を持っていると、関連の事があると周りから相談を受けたり、 依頼を受けたりすることにつながります。そのような場面で自分の力を発揮できるということが、本当の意味で資格を活かすということだと思いますよ。

~インタビュー終了後の感想~

幸代社長、お忙しい中インタビューにお答え頂きありがとうございました!
実は、社長は山藤が【N】を立ち上げるキッカケとなった方なのです。
社会で珍しい管理栄養士の資格を生かし、起業されている幸代社長。
「栄養士活性化」に欠かせない方だと思っております。益々のご活躍をお祈りしております。